ブログ@kaorun55

HoloLensやKinectなどのDepthセンサーを中心に書いています。

Intel RealSense 3Dカメラの国内販売開始

Intel RealSense 3Dカメラの国内販売開始とのことです。

pc.watch.impress.co.jp

クリエイティブ社のニュースリリース

おそらく中身はSR300と思われます。

「価格はオープンプライスで、参考価格は2万円台半ば。」とのことです。

Intelのサイトからの購入では$149で、送料や税金を入れると2万円くらいなので、国内ですぐに買えるなら現実的かと思います。

click.intel.com

また「Windows 10のWindows Helloの顔認証にも対応予定」とのことです。

最近マウスコンピューターからもWindows Helloの顔認証用カメラがリリースされました。RealSenseだと値段は3倍ほどしますが、マイクがついているのでそのままWebカメラの代わりになる、Windows Hello以外の用途でも使える、あたりが選択のポイントになるかと思います。

www.mouse-jp.co.jp

HoloLens 2016年9月の更新

公式にはアナウンスがなかったのですが、HoloLensの更新がありました。

Awesome Features coming to Hololensdanglingneuron.wordpress.com

8月の14393.0から14393.187に上がっています。

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Hololens Remotingを中心にしたUnityシミュレーションやUnityからのRemote Debuggingです。

 

Unity Remote Debugging for Hololens

Unity Remote Debugging for Hololensは、HoloLensからUWPに変換することなく、Unityから直接実行できる機能です。


Unity Remote Debugging for Hololens

いままでHoloLensのアプリは下記3手順が必要でした。

  1. Unity上で開発
  2. UnityからUWPにビルド
  3. Visual StudioでHoloLens用にビルド

これが下記のように変わります。

  1. HoloLensでHolographic Remoting Playerを起動
  2. Unity(5.5.0b4以降)から接続
  3. Untiy上で実行

これによって、UWP出力することなくHoloLens上で実行できるようになります(なお、Unity Remote Debugging for Hololensができるのはベータ版のUnity 5.5.0b4以降のみで、HTPとして提供されている5.4系ではできないことに注意してください)。

Holographic Remoting Playerはこちら(HoloLensのみインストールできます)。

www.microsoft.com

Hololens Remotingの利点

Hololens Remotingの利点として、下記項目が挙げられます

  • Unityから直接実行できるためビルド時間が短くなること
  • 実行時にヒエラルキーツリーが見えること
  • HoloLensのセンサー情報(たとえばカメラの位置、角度など)が見えること

いままでVisual Studio上でしか実行できなかったため、ヒエラルキーツリーが見えずオブジェクト構成や数値が見えず非常にやりづらかった点が改善されました。

 

一点だけ不明な点として、Unity 5.5でHoloLensからuGUIを操作するための「HoloLens Input Module」に変更があったからか、uGUIの操作ができなくなっています(これはバグなのか、自分のやり方が違うのか不明)。このため、uGUIを簡易的に使う場合にはColliderの適用で回避できますが、数が多くなったりしてくるとちょっと大変なのでUnity 5.4 HTPと併用するほうがいいと思っています。

Hololens Remotingの欠点

Hololens Remotingですべてが解決するわけではありません。

UnityからUWP出力のメリットとして、UWP環境も使えるようになります。具体的にはC#のバージョンや固有のAPIです。これによってasync/awaitが使えたり、HttpClientのようなAPIも使えます。Hololens RemotingではUWPビルドをしないので、逆にこれらの機能が使えなくなります。Unityの範囲内でできるのであれば問題ないですが、それを超えるとUWP出力からのビルドを使うことになります。

Holographic Remoting Playerについて

Holographic Remoting Playerは下記ドキュメントに記載があります。

要件は下記です。

  • Windows 10 Anniversary Update.
  • GeForce GTX 970 または AMD Radeon R9 290 以上のグラフィックカード
  • 速いWifi環境

GPUがGeForce GTX 970以上となっていますが、Surface Pro 4でも普通に使えるくらいには動作はしました。より快適に動作させるにはGPU性能があったほうがよいようです。

 

 

「アジャイルでやってみた。」という本を書きました。

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TFSUGのスタッフメンバーで「アジャイルでやってみた。ウォーターフォールしか知らなかった僕らSIerのスクラム日記」という本を書きました。僕は今回は企画ということで基本的には書いていません(いろいろあって結局すこし書いたのですが)。
技術説明というよりは、物語での読み物に仕上がっています。
会社で上司に「次のプロジェクトはアジャイルで!」と指示された主人公がいろいろな問題にあたりながらも、プロセスとツールで解決していく物語になっています。

  

出版社サイト

www.shuwasystem.co.jp

 Amazon

アジャイルでやってみた。

アジャイルでやってみた。

概要

全5章から構成されており、下記のようになっています。

  • 1章:アジャイルの概要
  • 2章:プロセスの改善(Scrumの導入)
  • 3章:ツールの改善(VSTSの導入)
  • 4章:OSSツールからVSTSへの移行(外伝的な感じ)
  • 5章:さまざまな課題を克服(発生する問題に対して、VSTSの各種機能で対応する)

各章、スプリントで扱っているテーマは下記のようになっています。

2章

  • スプリント1 オーバーコミット、詰込み過ぎ
  • スプリント2 詰込み過ぎを解決
  • スプリント3 オーバーコミットを解決する

3章

  • スプリント4 同時に二つ(Excelとビルド)の問題が起きる 
  • スプリント5 ツールを導入する
  • スプリント6 バグった(単体テストコードがない事の問題)

4章

  • ヘルプ1 OSSの個別ツールを使っている別チームの問題解決
  • ヘルプ2 VSTSへの移行

5章

  • スプリント7 顧客からのフィードバック(Feedback Client)
  • スプリント8 並行開発(ブランチポリシー、Pull Request)
  • スプリント9 ユーザーからのフィードバック(Application Insights)
  • スプリント10 レポート(PowerBI)
  • スプリント11 UIテスト(Test Manager)
  • スプリント12 ビジネスのスピードについてこれるか? Release Management
  • スプリント13 負荷テスト(Load Test)
  • スプリント14 完全公開したらシステムダウンした(Infrastructure as Code)

背景など

今回、ツールとしてMicrosoftのVisual Studio Team Services(VSTS)を使っています。Microsoftのサービスは進化が早く、紙媒体では賞味期限が短いので、本編では極力画面にかかわる説明はしないようにしています。各機能の解説や手順的な部分はappendixとして補完しています(appendixだけで3分の1くらいあります)。

執筆担当については、以下のようになっています。

ストーリー部分

  • 竹林さん
  • 串田さん
  • 石神さん

技術部分およびappendix

  • 亀川さん
  • 清水さん

僕は手が足りないところをフォローする感じで。

企画、構想から1年以上たってやっと出版までたどり着きましたが、内容としては問題なく使えるので、これからも長く使ってもらえると思います(VSTS部分はここ1か月くらいで画面が結構かわってしまった。。。)。
ストーリー部分は仮想のプロジェクトを進めていく流れで、節ごとにスプリントになっています。その単位でバックログを動かし、スキルマップでどのスキルが変わったかを見られるので、生きたプロジェクトに近い状態になっていると思います。

書内で使用しているドキュメントのデータはこちらに置いてあります。

github.com


ちなみに、書内で進めているプロジェクトは「著者と読者の交流サイト(SNS)」となっています。これは僕がほしいサービスなので、ぜひ誰か作ってください。。。バックログ、ビジネスモデルのイメージも書いています。類似のサービスがないので、もしかしたらうまくいくモデルではないのかもしれませんが(というのも含めて物語に書かれています。。。)

OSSからVSTSへの移行について

念のため誤解のないように補足すると、OSSからVSTSに移行という章がありますが、これにOSSをdisる意図はありません(全体的に、自分たちの推すものを上げるために、別の何かを下げるという表現はしていないつもりです)。

TFSUG自体、ツールにこだわるグループではないので。実際、この本の原稿は最初VSTSのリポジトリで作業していたのですが、Pull Requestの画面が見づらくて、途中からGitHubに移動しています(VSTSにこだわることもしない)。このあたり出版記念イベントで話す予定です。

なんらかの理由があって、OSSツールからVSTSに移行したい人のための章と理解していただけると嬉しいです。

出版記念イベント

出版記念イベントも企画していますので、ぜひご参加ください(書籍プレゼントもあります)。

tfsug.connpass.com

最後に

まえがきにも書きましたが、レビューやアドバイス、帯のご協力をしていただいた、武田さん、牛尾さん、たくさんの手間と時間を使ってレビューをしてくれた横田さん、高橋さんに感謝します。

合わせて読みたい

竹林さん

changesworlds.com

亀川さん

kkamegawa.hatenablog.jp

清水さん

blackssi.cocolog-nifty.com

中身チラ見せ

登場人物とプロローグ

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Sprint 8 並行開発時の運用を考えよ(ブランチポリシー)

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プロダクトバックログとスキルマップ

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appendixの技術解説

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「Intel Developer Forum 2016」でのRealSense周りまとめ

かなり盛りだくさんです。

newsroom.intel.com

  • Intel® RealSense™ Robotic Development Kit:Atomを搭載したROS(Robot Operating System)にも対応する基盤と、R200によってロボット用の環境を作れる。来月(2016年9月?)発送予定。
  • Intel® RealSense™ ZR300 Development Kit:もともとProject Tangoとして開発キットが出ていたものと同じ型番(

    http://www.appmarsh.com/intel-unveils-r200-and-zr300-realsense-3d-cameras/

    )。カメラだけ取り出した?高精度の空間マッピングやモーショントラッキングができるそうです。RealSesen SDK for Linuxとあるので、Linuxで動作する前提のようです。2016年末予定。
  • Intel® RealSense™ Camera 400 Series:現行のSR300の次期バージョン。処理速度が2倍に向上(30→60?)。
  • Intel® Euclid™ Developer Kit:RealSense(型番不明)とAtomを組み合わせた一体型のセンサーモジュール。

これにプラスして「Project Alloy」が発表されました。これはOculus RiftやHTC ViveのようなVRデバイスで、HoloLensのような一体型PCです。

前面にRealSense(400シリーズ?)を2つ搭載しており、RealSenseの機能をそのまま使えるようです。

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Project Alloy」については、こちらにまとめました。

www.naturalsoftware.jp

 

久しぶりにサイトをのぞいてみると、Robotic KitやAero Platformがあったり、クロスプラットフォームAPIのlibrealsenseが入っていたり、変わっていますね。SR300も見た目がかっこよくなっています。

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外部記事まとめ

newsroom.intel.com

pc.watch.impress.co.jp

ascii.jp

ascii.jp

japanese.engadget.com

japanese.engadget.com

 

Windows Holographicの開放とIntel Project Alloy

Intel の IDFで「Intel Project Alloy」(以下Alloy)というVR型のデバイスを発表しました。AlloyはOculus RiftやViveのようなデバイスですが、HoloLensのようなPC入りの一体型のようです。

newsroom.intel.com

前面にRealSenseカメラが2つついているので、カメラシースルーや空間検出、自分の手やまわりにいる人の検出もできるそうです。

これらを「Merged Reality」と名付けています(略すとMRでややこしいです)。個人的にはAugmented Virtuality(AV)なのかな?と思っています。Augmented Virtualityについて探していたら、Intelのサイトもありました。

blogs.intel.com

HoloLensは完全なARではあるが、AVができないので、MRとは言い切れない、という話もあります。AlloyがAV側であれば、2つのデバイスの選択によって、MRを実現できる環境が近づいているのかもしれません。

 

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(上記サイトより引用)

また、AlloyはWindows Holographicのプラットフォーム上で動作しているそうです。

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Windows Holographicはプラットフォームとしてサードパーティーに公開するというアナウンスが今年(2016年)6月にありました。Alloyは最初のWindows Holographic例でしょうか。

blogs.windows.com

6月のアナウンス時点では、HoloLensとHTC Vive間の協調動作がイメージされていましたが、IDFのデモではOculus Riftが出ていたので、これも含めてWindows Holographic環境で動作するようになるのでしょうか。

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どこで発表があったかわからないのですが、来年(2017年)Windows 10 PCでWindows Holographic環境が動作するという話もあります。

jp.techcrunch.com

techcrunch.com

個人的な予想ですが、HoloLensやAlloyのような一体型はOSとしてWindows Holographicが載っていて、Oculus RiftやHTC ViveのようなHMD型はWindows 10 PCに接続してWindows Holographicを動かすようになると思っています。

Windows 10 PCのWindows HolographicはNUCのような、どちらかというと非力なPCでも快適に動くようなので、現状のハイエンドPCが必要な環境と比べて、導入のコストが大幅に下がるのかもしれません。

HoloLensのHPU(Holographic Processing Unit)

HoloLensはCPU(Cherry TrailのAtom)のほかにHPU(Holographic Processing Unit)というプロセッサーが搭載されており、ここでジェスチャーや空間マッピングを行っているようです。

HPUについて公になっている情報はなかったのですが、Hot Chipsというイベントで公開されたそうです。

gigazine.net

原文

www.theregister.co.uk

 

24基のDSPだそうで、そりゃあれだけの処理もできるか。。。

HoloLens 2016年8月の更新

Windows 10 Anniversary Updateに合わせて、HoloLensにも更新がきました。

blogs.windows.com

詳細はこちら。

前回の更新は2016年5月に行われています。

www.naturalsoftware.jp

バージョンは5月の14342から14393に上がっています。

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新機能

新しい機能は次の3つです。

  • プロセスにアタッチしてデバッグ
  • HoloLensエミュレーターの更新
  • ゲームパッドのサポート

プロセスにアタッチしてデバッグ

起動しているHoloLensアプリケーションに対して、Visual Studio 2015 Update3からデバッグで接続できるようになります。

HoloLensエミュレーターの更新

あたらしいHoloLensのバージョンでのエミュレーターに更新されています。

ゲームパッドのサポート

Xbox One S用の「Xbox Wireless Controller S」でのBluetooth接続が、新たにサポートされています。日本でのXbox One Sの発売は未定なので、今のところ関係なさそうです(HoloLensも同様ですが)。

 

その他のアナウンス

HoloLens購入枠の拡大

購入の優先順位がつけられていたWaveが6まで到達し、HoloLensのサイトから普通に買えるようになりました(米国、カナダ在住のみというのは変わらず)。いままで開発者のみだったものが、企業も購入できるようになったのは大きな前進ですね。1アカウントで5台まで購入できるようになったことも良い変化です(Waveでは2台まで)。価格、ハードウェアの仕様については、変更ないようです。

www.microsoft.com

 

Microsoft HoloLens Commercial Suite

HoloLensが企業向けに販売されるということで「Commercial Suite」が新たに加わりました。

ハードウェアはDevelopment Editionと同じで、OSが変更になっているようです。

Commercial featuresを見る感じでは、OSのライセンス変更(Windows Holographic Enterprise)により、Commercial Suiteになるようです。

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Release notesから引用

 

合わせて読みたい

hatsune.hatenablog.jp