公式にはアナウンスがなかったのですが、HoloLensの更新がありました。
Awesome Features coming to Hololensdanglingneuron.wordpress.com
8月の14393.0から14393.187に上がっています。
Hololens Remotingを中心にしたUnityシミュレーションやUnityからのRemote Debuggingです。
Unity Remote Debugging for Hololens
Unity Remote Debugging for Hololensは、HoloLensからUWPに変換することなく、Unityから直接実行できる機能です。
Unity Remote Debugging for Hololens
いままでHoloLensのアプリは下記3手順が必要でした。
- Unity上で開発
- UnityからUWPにビルド
- Visual StudioでHoloLens用にビルド
これが下記のように変わります。
- HoloLensでHolographic Remoting Playerを起動
- Unity(5.5.0b4以降)から接続
- Untiy上で実行
これによって、UWP出力することなくHoloLens上で実行できるようになります(なお、Unity Remote Debugging for Hololensができるのはベータ版のUnity 5.5.0b4以降のみで、HTPとして提供されている5.4系ではできないことに注意してください)。
Holographic Remoting Playerはこちら(HoloLensのみインストールできます)。
Hololens Remotingの利点
Hololens Remotingの利点として、下記項目が挙げられます
- Unityから直接実行できるためビルド時間が短くなること
- 実行時にヒエラルキーツリーが見えること
-
HoloLensのセンサー情報(たとえばカメラの位置、角度など)が見えること
いままでVisual Studio上でしか実行できなかったため、ヒエラルキーツリーが見えずオブジェクト構成や数値が見えず非常にやりづらかった点が改善されました。
一点だけ不明な点として、Unity 5.5でHoloLensからuGUIを操作するための「HoloLens Input Module」に変更があったからか、uGUIの操作ができなくなっています(これはバグなのか、自分のやり方が違うのか不明)。このため、uGUIを簡易的に使う場合にはColliderの適用で回避できますが、数が多くなったりしてくるとちょっと大変なのでUnity 5.4 HTPと併用するほうがいいと思っています。
Hololens Remotingの欠点
Hololens Remotingですべてが解決するわけではありません。
UnityからUWP出力のメリットとして、UWP環境も使えるようになります。具体的にはC#のバージョンや固有のAPIです。これによってasync/awaitが使えたり、HttpClientのようなAPIも使えます。Hololens RemotingではUWPビルドをしないので、逆にこれらの機能が使えなくなります。Unityの範囲内でできるのであれば問題ないですが、それを超えるとUWP出力からのビルドを使うことになります。
Holographic Remoting Playerについて
Holographic Remoting Playerは下記ドキュメントに記載があります。
要件は下記です。
- Windows 10 Anniversary Update.
- GeForce GTX 970 または AMD Radeon R9 290 以上のグラフィックカード
- 速いWifi環境
GPUがGeForce GTX 970以上となっていますが、Surface Pro 4でも普通に使えるくらいには動作はしました。より快適に動作させるにはGPU性能があったほうがよいようです。