ブログ@kaorun55

HoloLensやKinectなどのDepthセンサーを中心に書いています。

Apple Vision Proのこれから(個人的な予想)

Apple Vision Pro Tips Advent Calendar 2024の25日目です。

カレンダーの記事一覧はこちら。

最終日はApple Vision Proのこれからの個人的な予想について書いてみようと思います。

Appleはどこまでやり続けるのか

最初に、Apple Vision Proが発売されてから噂として出ている、Apple Vision Proの生産停止や撤退などの話について、まずはそれが起こらないということから始めます。

理由は2つあります。

  • AppleはVision Proを「空間コンピューター」と定義した
    • これはMacを「パーソナルコンピューター」、iPhoneを「モバイルコンピューター」と定義している中で、新しいコンピューティングの定義を掲げたことは、その領域をMacやiPhineと同じ状況にする。という意味だと捉えています。
  • Appleは2000年ごろより、発売した製品を生産中止にしたことがほぼない
    • 唯一中止になったものがAirPort(無線ルーター)シリーズで、他は発売開始以降、現在も継続しています。
    • iPod系はiPhoneへの統合が主な要因と個人的には捉えています。

2024年2月下旬、ちょうどApple Vision Proが米国発売した後に、AppleがEVから撤退というニュースがありました。これも公式発表ではないため100%確実ではないですが、合わせて考えると製品をリリースしたということは、その市場を確実に伸ばすというコミットメントにもなると考えています。新しいコンピューティングの定義とともに発表・発売されたApple Vision Proは、Appleとして市場を拡大する領域として定義されたと考えます。

Apple Vision Proはいつ伸び始めるのか

では、いつ広まっていくのか。ということについては、参考としてMac, iPhoneの年毎の販売台数を見てみました。2018年までの公開ですが、最初の数年を見るには良いでしょう。逆にApple Vision Proの実績は見えない可能性もありますが。

数字はAppleの年次報告書(10-Kフォーム)を元にChatGPTにて作成しました。

Macの販売台数

Year 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
販売台数(百万台) 2.8 3.5 3.7 4.5 3.5 3.0 2.9 3.3 4.5 5.3
Year 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
販売台数(百万台) 7.0 9.7 10.4 13.7 16.7 18.1 16.3 18.9 20.6 18.5

iPhoneの販売台数

Year 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
Units (百万台) 1.39 11.63 20.73 39.99 72.29 125.05 150.26 169.22 231.22 211.88

Macだと昔すぎるので、もう一つの比較要素としてApple Watchを出したかったのですが、年次報告書にはWatch単体はなく、AirPodsやHomePodsなどと一緒にウェアラブル、ホームカテゴリとして売上高になっているようです。

Wearables, Home and Accessories カテゴリの売上高

Year 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 (est.)
売上高(10億ドル) 10.1 11.1 12.8 17.4 24.5 30.6 38.4 41.2 39.5 36.0

ここからの傾向として、発売数年は線形に伸び、2年-3年で伸びる角度が変わり、7年-10年でピークを迎えます。

今のApple Vision Proの時間軸と合わせると、下記になると考えます。

  • 販売台数が伸び始める時期 : 2026年-2027年
  • 販売台数がピークになる時期 : 2031年-2034年

2026年ごろからアプリがApple Vision Pro対応するのが普通になってくるのかもしれません。

キラーアプリは何か

いわゆる、XRや空間コンピューターではキラーアプリと呼ばれる普及するための目玉アプリの存在が期待されていました。

Apple Vision Proでのキラーアプリが何かを考えた場合、何か特定のアプリというよりは、2DアプリによるiOS/iPadOS向けアプリの利用、Mac仮想ディスプレイによるmacOSの利用、それに加えてvisionOS専用のアプリの組み合わせによるものと考えます。Google系のアプリやNetflixがないですが、ブラウザ利用でカバーはできます。

普段使いではXやPrime Videoなど普段使ってるアプリなど、iPhoneやiPadで使っているアプリがそのまま使えますし、Apple Vision Proならではの空間アプリも多数あります。

業務系ではMicrosoft Officeは一通り使えますし、TeamsやZoomのようなオンラインミーティングアプリもあります。

実際のところ、普段使いするにあたり、重さとそれによる不快感くらいしか障害はないかなとは思います。まぁ、それが一番の問題という話でもありますが、ハードウェアは時間とともに進化するので、解決可能な問題と考えています。

ヘッドセットかグラスか

Apple Vision Proのようなヘッドセット型のデバイスが今後も発売され続けるのか、または軽量のグラスデバイスが発売されるのか。

期待としてはグラスになると思いますが、Apple Vision Proの高精細なディスプレイを見ると軽量のヘッドセットでの進化。というのもアリだと思ってしまいました。

2系統出るといいですが、そういう路線がいままであったかどうか。こじつけるとiPhoneとiPadの関係のようなイメージでしょうか。

まとめ

以上から、AppleはVision Proを一つのコンピューティング領域にするまで続ける、市場として大きくなるのが向こう3年−5年くらい。というように考えています。

課題は重さと価格で、それ以外の課題はそんなに大きくはないと考えています。

長い目線ですが、iPhoneやApple Watchもいつの間にか身近な存在になっています。ネガティブに考えると、電話の再定義であったiPhoneや腕時計の再定義であったApple Watchでこの立ち上がりなので、再定義ではない(人類がメガネのような補正ではなく、目の前に情報がある状態というのは初めて)Apple Vision Proだとさらに時間がかかる可能性もありますが、どちらにしても立ち上がるまでやるんだろうと思います。