ブログ@kaorun55

HoloLensやKinectなどのDepthセンサーを中心に書いています。

OpenNIのサイトがクローズします

キャプチャ

OpenNIのサイト( http://www.openni.org/ )が2014年4月23日をもってCloseされるようです。AppleによるPrimeSnese買収によるものと思いますが、実際のところは不明です。

必要なファイルやミドルウェアなどは早いうちにダウンロードしておくことをお勧めします。個人的に必要と思うもの、興味があるものへのリンクを載せておきます。

その他にもHand/Finger Detector系、Reconstruct系のライブラリなど、必要に応じて保存しておくとよいかと思います(今後ライセンスがどうなるかもわかりませんが)。

OpenNIのソースについてはGitHubをforkすることで今後も利用は可能と思います。NiTEについてはソースが公開されていないので、今後のメンテナンスは期待できないと思われます。

書籍「OpenNI 3Dセンサープログラミング」のサポートサイトでも書籍のバージョンでのOpenNIおよびNiTEのバイナリを配布しています。

個人的な思い

ちょっと個人的な思いをつらつらと。

OpenNIは僕がKinectを始めたときに触ったライブラリで、今のこの状況のきっかけでもありました。OpenNIの最初のバージョンがリリースされたので2010年12月、僕が最初にOpenNIに触ったのが2011年1月のことでした(なつかしい)。その年の5月に「KINECTセンサープログラミング」を出版して、これを機に多くのKinect界隈の方と交流するようになりました。

2012年にはKinect for Windows SDKがリリースされ、Kinectハックは少しずつビジネスの方へ動き始めました。これによってWindowsではOpenNIからKinect for Windows SDKへの移行がありましたが、Mac OSXやLinuxWindowsでも環境によってはOpenNIが引き続き使われていました。クロスプラットフォームであること、センサー(CarmineやXtion)がUSBケーブルのみで動作することなどが有用だったのでしょう。僕は相変わらずセンサーが楽しかったので、この年に会社を辞め個人で活動するようになりました。

2013年(正確には2012年末)はOpenNIのバージョン2がリリースされ、APIが洗練されとても使いやすくなりました。この年にKinect Ultraのtomotoさん、LinuxAndroidを得意とする新里さんと「OpenNI 3Dセンサープログラミング」を出版しました。この本ではWindowsおとびMac OSXでのOpenNI,NiTEの基本的な使い方から始まって、Android,Linuxでの環境構築、Unityと連携させる方法、OpenNI2自体のビルドやOpenNI2の拡張(独自ドライバの開発方法)と広い範囲を扱っています。

2014年早々にこのような形で幕を閉じるのは残念ですが、OpenNIはDepthセンサーのデバイス抽象化APIとして非常に有用(Kinect,Kinect v2,Carmine,Senze3DなどのカラーおよびDepthストリームを同一APIで扱うことができる)であるので、今後も継続していけたらと思っています(し、その動きもあるようです)。

2013年11月にPrimeSenseがAppleに買収され、ちょうど数日前にGoogleProject Tangoとして、スマートフォンにDepthセンサーを内蔵しました。Depthセンサーが新しい局面に入ったのだと思います。あとからこの記事を見直したときにどのように感じるのか。ちょっと楽しみです。